日本の車いすテニス選手はなぜ強い?その理由とは!国枝慎吾、上地結衣、小田凱人

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国枝慎吾選手
上地結衣選手(左)、小田凱人選手(右)

車いすテニス界で、日本の選手が世界で高い成績を上げている理由は何でしょうか?おそらく、多くの人がその成功の秘密を知りたがっています。国枝慎吾選手、上地結衣選手、小田凱人(ときと)選手は、なぜこんなにも強いのでしょうか?その理由は、単に個々の選手の才能や努力だけに留まりません。高度なトレーニングや専門的なサポート、精密な技術と戦術、整った競技環境など、複数の要素が絡み合っています。
この記事では、国枝慎吾選手、上地結衣選手、小田凱人選手のインタビュー記事から、なぜ世界の舞台で輝けるのかということを切り抜いた内容をご紹介します。
日本選手の強さの要因を理解することで、スポーツ活動や他の分野にも役立つヒントを得られるでしょう。日本の車いすテニス選手の成功の秘密に迫るこの内容を、ぜひ最後までお読みください。

日本を代表する車いすテニス選手の国枝慎吾はなぜ強いのか。

国枝慎吾選手のインタビュー記事より

「車いすテニスプレイヤーとして活躍することが、同じような境遇の子どもたちへの希望になりたい」と思ったから。プロのスポーツ選手として厳しい世界で活躍している姿を見せること、そして、常にナンバーワンとして存在し続けることが、”次世代を担う後輩への熱きメッセージ”になればと考えましたね。

私が車いすテニスを始めた頃はまだ社会の関心も高くありませんでしたが、パラリンピックや世界大会で、私が活躍することで、多くの人に知ってもらえたのは心から嬉しかった。そして、障がいを持つ選手たちが世界で活躍している姿は、私にとって大きな励みにもなっていますし、頑張っている姿を見るたびに、負けたくないという気持ちが強くなるんです。

『自分の可能性を信じ続け、自分を置く環境を広げたことだと思います』と答えています。日本国内だけでなく、世界に目を向けることで、経験をしたことのない景色が広がったし、大きな舞台で勝負することで、より強くなれました。
参照:Reitaku Journal ( https://www.reitaku-u.ac.jp/journal/437/ )

僕が09年にプロへ転向して、今では何人かの選手がプロとして活動しています。他国は、国からの支援が厚く、強化がうまくいっているケースもあります。ただ、日本は国からの支援というより、企業の支援によって強化が進んでいます。結果さえ出せば支援は得られるので、プロ化の面では海外に劣らず、日本も進んできている。これによって、プロとして生活していく選手が増え、それがプロ意識を高め、結果につながっているのだと思います。
参照:
Sportsnavi ( https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201503090002-spnavi?page=2&p=2 )

日本を代表する車いすテニス選手の上地結衣はなぜ強いのか。

上地結衣選手のインタビュー記事より

「試合中にうまくいかないときでも、どうしようどうしようと焦るのではなくて、ここが自分には足りないからあとで練習しよう、と切り替えることが多いですね。試合が終わったら練習なんていくらでもできるので、どうしたら良くなるのかを考えたほうがいい」

「技は練習でやったことしかできないし、体力もトレーニングを積んで蓄えたもの以上は出せないと思います。技と力には限界というか、最大値がある。けれども、心は100%を超えて、さらにどんどんプラスにすることができると感じています。絶対女王のデフロート選手も昔は精神状態に波があったけれど、それがなくなってからとても強い選手になりましたから」

「メンタルの力で勝てたとか、いい試合ができたと感じたときには、必ずコーチがそばで見ていてくれたり、先輩方や観客席からの素晴らしい応援がありました」
参照:GQ Japan ( https://www.gqjapan.jp/culture/article/20230227-yui-kamiji )

どんな時でも楽しむ気持ちを忘れないようにしています。試合で自分が劣勢に立たされた時こそ、幸せを感じるくらいなんです。ピンチに立たされた時こそ、相手に「やられた!」と思わせるようなプレーが出来たらいいな、と思って試合に臨んでいます。いつも楽しそうにプレーしているね、と声をかけていただけることも多くて、観てくれている人にもそれが伝わっているのはすごく嬉しい。強ければ何をしてもいい、ということはないと思うので、テニスプレーヤーである前に、一人の人としていいな、楽しそうだな、と思ってもらえるような存在でありたいです。
参照:Vouge Japan ( https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/2020-02-28-present-yui-kamiji )

日本を代表する車いすテニス選手の小田凱人(ときと)はなぜ強いのか。

小田凱人選手のインタビュー記事より

病院のベッドの上で、ロンドン・パラリンピックの決勝を戦う国枝さんの気迫に釘付けになった。「めちゃくちゃカッコいい。自分もこうなりたい」9ヵ月にも及ぶ入院生活の中で、国枝さんの存在が光となった。車いすテニスを早く始めたい一心で、懸命にリハビリに取り組んだ。
闘病生活の中で、「国枝さんのように、車いすテニスで世界一になりたい。僕ははじめからすごく高いところを目指していたので、治療が苦になることはありませんでした」仰ぎ見る存在がいたからこそ、過酷な治療も乗り越えられた。

「パラリンピックは一番に目指してきた大舞台。今は出場が決まったことが単純にうれしいし、とてもワクワクしています。プレッシャーは特に感じていません。もともと試合が好きだというのもありますが、地道な基礎練習を徹底し、積み重ねてきた自信があるので、『負けたらどうしよう』という気持ちにならないんです。車いすテニスを始めた当初から、そのマインドは変わりません」

「以前は『病気と闘う子どもたちに夢を与えたい』と思っていたのですが、あるときふと、『なぜ病気の子たちだけなんだろう?』と疑問に感じるようになりました。別に区切らなくてもいいんじゃないかって。それからは『子どもたちみんなに良い姿を見せたい』という気持ちに変わっていきました。僕自身がもっと有名になって、もっとたくさんの人に試合を観にきてもらいたいです。障害のある人もそうでない人も、車いすテニスを当たり前に楽しむ。そんな時代がきたらいいですね。車いすテニスを盛り上げていくことは、プロとしての使命だと感じています」
参照:SPUR.JP ( https://spur.hpplus.jp/sdgs/dearearth/2024-02-19-CcrwGA/page2/ )

「『子どもたちのヒーローになりたい』『憧れられる選手になりたい』。なぜそういう目標を持つかと言ったら、ここまでいったら叶うという線引きがないからです。ある意味、絶対叶わない目標です。何人に憧れられたから目標達成という基準もないから、競技生活中は自分で追い求めていきたい。1位は一回なったら目標達成できちゃうが、具体的ではない目標をひとつ持つことでずっと現役を続けられると思う」

9歳で癌になって17歳で世界一になった小田の、18歳の話もきっと見る者を圧倒することだろう。

著書『凱旋 9歳で癌になった僕が17歳で世界一になるまでの話』より

参照:ぴあニュース ( https://lp.p.pia.jp/article/news/375826/index.html?detail=true )

日本の車いすテニス選手(国枝慎吾、上地結衣、小田凱人)はなぜ強い?その理由とは!

まとめ

国枝慎吾、上地結衣、小田凱人、3選手のインタビュー記事を通して強さの理由が分かってきました。
まずは、高いモチベーション。闘病、障がいという幼いころの経験から車いすテニスに出会い、文字通り時間と精神、肉体のすべてを掛けて打ち込んだということが大前提としてあります。
また、プロ選手には必須の負けず嫌い、それに起因する練習量。などが挙げられます。

そして、企業や国がサポートすることで車いすテニスの競技環境が整っており、競技者へのサポート体制が充実していること。なかでも、トレーニング施設やサポートスタッフ、資金援助などが充実してきており、選手はその環境を最大限に活用できたから強くなれたのだと思われます。

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